日本人のアイデンティティ・桜

こんにちは、凜としての入部です。いつも「凜として」をご利用いただき、ありがとうございます。

もう皆さんの地域では、桜は満開ですか?富山も先週の土曜日に満開になりました。日本人は本当に桜が好きですね。花の中でも開花予報や開花前線があるのは桜だけです。また、開花だけではなく、散りゆく様も語られます。桜吹雪や桜の散るさまを「諸行無常」と捉え、あっと言う間に散る姿に人間の一生を投影することもあります。毎年多くの人が花見と称して、公園や桜並木で桜を見ながら、散歩したり、飲食を楽しんだりしますね。昨年と今年は、コロナのせいでなかなかゆっくりとお花見とは行きませんが、テレビでも毎日のように桜の報道をしています。各地にたくさんの桜の名所があります。お城と桜、富士山と桜、月と桜などなど、桜の写真もネット上ではたくさん見かけることができますし、この時期のフェイスブックやインスタグラムでも、たくさんの写真がアップされています。

私のマンションの前も川が流れているのですが、両サイドに桜並木があり、「桜のトンネル」になっていて、川にはお花見の遊覧船が出ています。

桜の歴史は、「古事記」から始まります。木花咲耶姫(コノハナサクヤヒメ)と言う女神が登場し、霞に乗って富士山の上空から花の種を蒔いたと記述されています。弥生時代、桜は穀物の神が宿る「神聖な樹木」として扱われていました。桜の開花が、農作業開始の合図とされ、桜の咲き具合で稲作の豊凶を占う習慣がありました。奈良時代に入ると梅の鑑賞が貴族の間で流行りました。これが花見文化の始まりです。その後、平安時代に入り花見は、梅から桜へと変わりました。「万葉集」では、桜を詠んだ歌は43首、梅を詠んだ歌は110首でした。それが「古今和歌集」では、桜の歌が70首、梅の歌が18首と逆転しています。

時代が進み、戦国時代、豊臣秀吉が行った「吉野の花見」では、1000本の桜が植えられ、5000人を集めて催されました。この頃から、春の行事として定着してきたようです。

日本人は、四季を大切にし、楽しみます。その最初が「春」であり、桜なのです。また、入学式や新学期の時期であり、門出や出発のイメージがあります。この時期限定の桜グッズもたくさん販売されています。お菓子や飲み物、化粧品も多いです。凜としても、桜バージョンが欲しいな・・・なんて、思ってしまいます。

そんな桜ですが、桜には何百種類もあるそうです。現在日本の70%を占める、「ソメイヨシノ」は、明治以降に全国に広がりました。江戸の後期に染井村(現在の東京都豊島区駒込)の植木屋さんがエドヒガンとオオシマサクラを交配し作りました。明治時代になると、沿道や河川敷、公園、学校などに植えられました。一斉に花を咲かせ、あっと言う間に散る、その姿を惜しむように桜の下で宴をする。コロナ禍ではありますが、ルールを守って、お花見を楽しんでください。それでは、また次回、お付き合いをお願いします。

日日是好日

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