浸透する化粧品は大丈夫?

明けましておめでとうございます。本年も「凜として」をよろしくお願いいたします。

皆さんはどんなお正月を過ごされましたか?初詣に出かけたり、初売りに出かけたり、寝正月と決め込んでテレビとにらめっこ!って方もいらっしゃったのでは?私の平成最後のお正月は、初詣と書初めでした。後は、結構テレビも見ました。我が家は、80歳から3歳までの7人家族です。テレビのチャンネルの争奪戦も激しいです。普段あまりテレビを見ないのですが、ダラダラとテレビを見ていたら、気になるコマーシャルが次から次へ。「角質層深くまで浸透させる」「テクノロジーの力で浸透」「ナノ粒子が毛穴に浸透」やたら浸透する化粧品が多いことに驚きました。皆さんは化粧品は浸透するものが良いとお考えですか?

まずは、肌の役割について考えてみましょう。皮膚の本来の役割は「バリア」です。体内の水分が外部に漏れないため、外界からの異物や微生物が体内に侵入しないようにするための大切なバリアです。次に体温調整と排出作用です。後は感覚作用です。肌には常在菌が住んでいます。その種類は200種類と言われています。この常在菌は肌を守ってくれています。ターンオーバー手伝ってくれています。しかし、合成洗剤を使用することによって、皮脂の環境が悪化し、常在菌が住めないようになってしまうのです。幼いころからの洗いすぎなどによって、皮膚の環境を壊してしまうと、アトピー性皮膚炎の一因になってしまいます。合成洗剤は、肌のバリアも破壊してしまい、本来の役割であるバリア機能を低下させます。皮膚は異物の認識が鋭く、食品を摂取するよりも感度が高いと言われています。ですから、浸透力があると言うことは、バリアを壊す力を持っていると言うことになるわけです。バリアを壊して、表皮を通り抜け、真皮に辿り着く化粧品って、本当に大丈夫なのでしょうか?合成洗剤はバリアを壊して、異質分子を肌に入れてしまって、肌あれを起こしたり、ターンオーバーを狂わせたりします。浸透する化粧品はそれと同じようなものなのでは??

化粧品の本来の目的は肌を清潔に保つことです。そして、バリアを修復して守ることが1番大切なことなのです。ですから、角質層できっちり働いてくれることが大切なのです。守らなくてはならないバリアを破壊し、それ以上深く届ける必要はありません。角質層は皮膚の中で最も強固なバリアです。ここを突破して侵入する化粧品はリスクが高いと思いませんか?「角質層より深く浸透してくる化粧品は炎症やアレルギーなどの皮膚トラブルや副作用を起こす可能性がある。だから化粧品は角質層までしか浸透させてはいけない。」これは、厚生労働省の考え方です。医薬品は浸透します。しかし、それは治療のために短期間の使用ですし、副作用もしっかりとうたわれています。しかし、化粧品は長期にわたって使用します。ですから、長期の使用によって皮膚の免疫が働き、かゆみや炎症をおこし、神経が過敏になり敏感肌になってしまう恐れもあります。そして1番問題なのが、医薬品でも化粧品でもない、医薬部外品です。薬用化粧品は有効成分だけを表示すれば、他の成分は企業秘密として表示しなくても良いことになっています。

「凜として」には、シャンプー&コンディショナーとボディーソープ、クレンジング、バスリキッドしかありませんが、その他の化粧品選びもこの機会にちょっと考えてみてください。

石鹸は肌バリアを破壊しませんが、その後の化粧品の選び方で大切な肌バリアをいじめてはいませんか?化粧品は角質層より深く浸透するとは言ってはいけません。各化粧品メーカーの宣伝文句に惑わされないことを強く願います。そして、まずはバリアを壊さないことを1番に考えて洗浄剤も選んでください。

それでは、今年もよろしくお願いします。来週もお待ちしています。

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